御社の広告・CM・ウェブサイト、景表法に違反していませんか。
先日、タイガー魔法瓶㈱に対して、景品表示法(景表法)違反を理由とする措置命令が出されました。
同社の電気ケトルについては、テレビCMやウェブサイトで音声や映像により、「転倒してもお湯がこぼれない」とPRされていたようですが、実際には、電気ケトルが転倒したときには、構造上、中身の液体がこぼれる場合があったために、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると誤認させる表示であると判断されました。
商品の品質ではなく、広告が問題とされた事例です。
電気ケトルが転倒して中身の液体がこぼれるかどうか、という問題は、それほど複雑な問題とは思われません。
そのため、メーカー(製造部門)が、転倒したら液体がこぼれる場合があることを認識していなかったとは考えにくく、むしろ、CMやウェブサイト等の広告サイド(広告部門)との間で情報が共有されていなかった可能性や、広告サイド(広告部門)のリーガルチェックが甘かった可能性があるように感じました。
コロナ禍において、店頭ではなく、CMやウェブサイト等を通しての宣伝効果が再認識されています。良い商品をしっかりユーザーに届けるためには、そうした広告についてもコンプライアンスを意識しておく必要がありますね。
御社の経営戦略の中にも、CMやウェブサイト等広告に対する専門的なリーガルチェックを組み込み、自信をもって経営にあたっていただきたいと思います。
北川ひろみ:弁護士・公認不正検査士・MBA(国際認証)/
事業リーガルチェック、品質・表示問題、コンプライアンス・リスク対応、情報管理、人事・労務などを中心に、ビジネス法務を幅広く扱っている。